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2009年12月12日 更新

超小型MP3プレーヤー [ Timpy ]
 
Rev9.0 【スピーカーボックスプレーヤ】

Timpy シリーズ・ラインナップ

Rev8.0 【有機ELディスプレイ付きインナーイヤープレーヤ】


Timpy Rev9.0

スピーカーボックスプレーヤ

超小型MP3プレーヤ [Timpy] Rev9.0

2009年4月 ひとまず完成

特徴
外観
ハードウェア
ファームウェア
メイキング − 製作途中の写真集
FMアンテナ電動巻き取りメカ

Timpy Rev9.0はとっても小さな、かわいいスピーカーボックス型です。

Timpyシリーズのひとつとして、以前からスピーカが鳴るタイプを作りたいと思っていました。
そんな折にネットで見つけたのが、この小さなアンプ付きスピーカです。 商品名を『I・dear』といいまして、ご覧の通り、木製の素朴なエンクロージャがなんともいえない魅力を醸し出している逸品です。

ひと目見た瞬間に、『あ、これだ』と。

このかわいい筐体の中に、プレーヤやFMチューナなど、Rev8.0相当の機能を詰め込みました。もちろん有機ELディスプレイも付いてます。

でも、以前と違ってヘッドフォンが無いのでアンテナ線になるものがありません。そこで約1mの極細ステンレスワイヤを内部に巻き取っておき、手で引き出せるようにしました。デスクの脇から垂らしておくだけでアンテナとして十分機能します。
で、引き出した後はどうするのかというと・・・モータで巻き取れるようにしてみました。

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》特徴

*とっても小さなスピーカーボックス型プレーヤ
 サイズは19mm×26mm×30mm。携帯ストラップでぶら下げられるほど小さな木製スピーカボックスに、Rev8.0相当の機能を持たせました。
  ・デコーダICにVS1053bを採用。MP3 / Ogg Vorbis / WMA / MIDIの各フォーマットに対応
  ・FMチューナ内蔵
  ・microSDカード対応
  ・USBマス・ストレージ・クラス対応
  ・有機ELディスプレイ付き
 
 つまり、卓上や手のひらで鳴るFMラジオ付きMP3プレーヤです。
 サイズが小さいですから音質はそれなり、音量も小さいです。それでもがんばって鳴っている様子はとっても健気です。

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》外観
改造前の外観
改造前の外観:流用したアンプ付きスピーカ『I・dear』

木製の筐体がかわいいアンプ付きスピーカです。ストラップも付いてます。
詳しくは販売元のサイトへどうぞ。
今回Rev9.0用として、この木製エンクロージャとスピーカ、内蔵リチウムポリマバッテリを流用しました。

【警告】
もしも同様の改造を検討される場合には、作業中、特にエンクロージャを開ける作業において絶対に内蔵バッテリを傷つけないようにご注意ください。リチウムポリマバッテリの外装は軟らかいラミネートフィルムでしかありません。万一カッターの刃が刺さったりすると、爆発的発火などの重大な事故につながるおそれがあります。全てにおいて自己責任でお願いします。私は責任を負いません。

前面
ビフォア・アフター:前面

左はオリジナル、右はRev9.0です。

前面(スピーカ側)に見た目の違いはありません。
上面にはFMアンテナが追加されています。

裏面
ビフォア・アフター:背面

左はオリジナルです。オーディオ入力用/内蔵バッテリ充電用のミニジャックと、モニタLEDが付いています。

右はRev9.0です。有機ELディスプレイ、microSDカード、microUSBコネクタと、ちょっと見えにくいですがモニタLED3個が顔を出しています。操作用スイッチ3個は側面に配置しました。
現在のところ、ふたの塗装と仕上げが未完です。

microSDカード挿入口
microSDカード挿入口

曲データの記録メディアはmicroSDカードです。
カードはここへセットします。

FMアンテナ
FMアンテナ

FMアンテナは超極細のワイヤです。端のリングをつまんで手で引き出します。
長さは約1mです。そのままぶらんと垂れ下がらせるとか、リングをどこかに引っ掛けるとかの使い方ができます。
しまう時は内蔵のモータで巻き取ることができます。
詳しくはこちらへFMアンテナ電動巻き取りメカ

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》ハードウェア
回路図
回路図

timpy-rev90-sch.pdf

回路図としてはRev8.0とほとんど同じです。
相違点は基板面積の制限によりパスコンを2個ほど省略したことくらいです。

アートワーク 部品面
アートワーク − 部品面

timpy-rev90-cmp.pdf

生基板の仕上がり寸法は23.4mm×18.4mmです。
これでも十分小さいんですが、実際には出っ張っている部分をさらにヤスリで削って22mm×17mmにします。ちょっと姑息ですが、趣味の世界ですから何でもアリ。

アートワーク はんだ面
アートワーク − はんだ面

timpy-rev90-sol.pdf

お気づきでしょうか。そう、microSD用のコネクタがありません。
この基板寸法だとどう考えても実装できないので、ジャンパ線でスタックすることにしました。実物の様子は下の写真をご覧ください。

*スピーカの駆動について
Rev9.0ではヘッドフォンの代わりにスピーカをひとつ駆動することになります。従って、Rev8.0などと比べて:
 ・スピーカ用のパワーアンプ
 ・モノラル化
の2点が必要になります。
いろいろ考えた結果、今回は幸いスピーカが小さいので、アンプを省略してVS1053bの出力で直接駆動することにしました。LEFT端子とRIGHT端子にそれぞれスピーカの+と−を接続し、さらにVS1053bの設定でSCI_MODEレジスタのSM_DIFFビットをセットすることで左チャンネルの位相を反転させます。これによりBTLのような形で効果的にスピーカを駆動でき、同時にモノラル化も実現できました。直流カットのコンデンサも要りません。

*ところがトラップが・・・
上記の回路と設定で動作させてみたところ、MP3再生の時はちゃんと鳴るのですが、FMラジオに切り替えると微かな音しか出てきません。
・・・あれこれ試行錯誤した結果、SM_DIFFビットの設定は録音時のモニタ出力には作用しないことがわかりました。

VS1053bを録音モードにすると、LEFT、RIGHT端子にはそれぞれLINE1、LINE2入力信号のモニタ出力が得られます。上記の回路構成はこの機能を利用することで、VS1053bをあたかも電子ボリューム付きヘッドフォンアンプのように動作させることを意図しています。上記の通りスピーカはBTL接続になっていますから、SM_DIFFが機能しないとすると同相信号が全てキャンセルされてしまい、ステレオの差動分の微かな音しか出ないことになります。

仕方が無いので、とりあえず右チャンネルの結合コンデンサC12を外し、LINE2入力を10KΩでGNDに落とし、YTS-7002Fを強制モノラル出力に設定(R0のビット3をセット)し、さらにVS1053bの録音ゲイン(SCI_AICTRL1)を上げることで対処しました。

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》ファームウェア

(準備中)

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》メイキング − 製作途中の写真集
生基板
生基板

左はP板さんから納品された状態の生基板です。これを右のようにヤスリで削ってから実装します。
追加工後の外形寸法は22mm×17mmです。この上にデコーダチップVS1053bとマイコン、FMチューナ、リチウムポリマバッテリ充電回路、USBインターフェース、ファームウェア書き込み/リアルタイムデバッグインターフェース、モニタLED3個、デジタル系3.0Vリニア電源、アナログ系2.85Vリニア電源、VS1053bコア用1.8VDC/DC電源、有機EL駆動用15VDC/DC電源、microSDカード接続端子、有機ELディスプレイ接続端子、操作スイッチ接続端子が集積されています。P板さんで作る限り、両面板ではもう限界でしょう(笑)。

基板−表面(1)
実装完了−基板表面(1)

実装が完了したところです。所要時間は両面で4時間くらいでしょうか。もちろん手載せ・手ハンダです。
有機ELディスプレイはRev8.0と同じ、日開IS-C15ANP4です。
基板上、左の大きなICはVS1053b、その右はFMチューナモジュールYTS-7002Fです。

基板−裏面(1)
実装完了−基板裏面(1)

裏面です。
基板上、右下の大きなICはSilicon LabsのC8051F342マイコンです。左上の銀色はmicroUSBコネクタで、その右隣は4ピンのFPC/FFCコネクタで、これを通してC8051F342へのファーム書き込みやデバッグができます。

基板−表面(1)
microSD取り付け後−表面(2)

microSDコネクタを取り付けると、こんな感じになります。

基板−裏面(2)
microSD取り付け後−裏面(2)

裏側から見た様子です。
microSDコネクタとC8051F342を薄くて強力な両面テープで固定し、基板の間をラッピングワイヤ(AWG30)の芯線で接続します。

ケースへの追加工
ケースへの追加工

Rev9.0での最大のお楽しみは、この木製ケースの製作でしょう。
写真は概ね細工が終わったところです。
別の角度から(1)
別の角度から(2)
別の角度から(3)

裏ふたの材料
裏ふたの材料

ケースの木材に近いものを求めてハンズへ。
結果、色と木目の感じからこのチーク材にしました。元の厚さが5mmあるので、2.0mmまでカンナで落としています。

裏ふた
裏ふたの製作

有機ELディスプレイをはめ込む部分は彫刻刀で削り込みます。
・・・写真を撮るときスケールを置き忘れてしまいました。
大きく見えるかも知れませんが幅は23.0mm、10円玉より小さいです。

操作スイッチの取り付け
操作スイッチの取り付け

操作スイッチにはOMRONのB3U-1100Pを使用しました。
ケースを十分に削り込んでおかないと内側に出っ張ってバッテリが納まらなくなります。
前もって長めの配線材を取り付けておいたスイッチを5分硬化型のエポキシで1個ずつ固定していき、最後に念のためカプトンテープを貼って完了です。

基板の組み込み
基板の組み込み

配線を済ませ、基板をケースに収めた様子です。
配線は基板が引き出せるように長めにしてあります。

バッテリの格納
バッテリの格納

バッテリはこんな感じで収まります。
裏ふたはケースにぴったりとはまり込むように作ってあります。

裏ふたの固定法(1)
裏ふたの固定法(1)

裏ふたはピンで留めるようにしました。

裏ふたの内側上下2箇所に、外径1.0mm、内径0.7mmの真鍮パイプをエポキシで接着します。

裏ふたの固定法(2)
裏ふたの固定法(2)

ふたを閉じた時に真鍮パイプが来る位置をねらってケースに直径0.5mmの穴を開け、そこへ同じく直径0.5mmの真鍮棒を刺し込んで閂のように固定します。穴と棒の径が同じですが、ケースが木なのでこれでちょうど良い摩擦感が得られます。

棒の直径とパイプの内径の差は0.2mmしかありません。棒がスムースに刺さり、かつ裏ふたが目的の位置に固定されるには、ケースへ開ける穴位置の正確さがポイントなのは言うまでもありません。
併せて、真鍮棒の端は丸く、真鍮パイプの内側の角は皿ザグリのようにそれぞれ削っておくことで、刺さる時の呼び込みを作ってあります。

『もっと太いパイプにすれば良いのに』と思われるかもしれません。でもこれより太いものだと、ふたが閉まらないのです。それほど内部はギチギチです。

裏ふたの固定法(3)
裏ふたの固定法(3)

真鍮棒を完全に押し込んだ様子です。棒の端がポチポチと見えています。

ふたを外す時は、この棒の端をピンセットの先などで突き、反対側に出てきた部分を引き抜けばOKです。

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》FMアンテナ電動巻き取りメカ

Rev9.0は卓上ラジオとしても使えるようにFMチューナを内蔵しています。でも、この小さなケースにどうやってアンテナを設けるかは企画当初からの懸案でした。Rev8.0まではヘッドフォンのネックコードをアンテナとして流用できたのですが、今回は頼れるものがありません。
ラジオのイメージで真っ先に思いつくのはロッドアンテナですが、このケースは長手でもわずか30mmです。仮に携帯の地デジ用アンテナでも長すぎます。伸ばした時に約90cm、縮めた時に3cm・・・これは如何せん無理があります。

さんざん考えた挙句作ってみたのが、この垂れ下がり式ワイヤアンテナ。髪の毛より細い超極細ワイヤを本体内に収納しておき、ラジオを聴く時に手で引き出して使います。例えばデスクの端に本体を置いて、脇からワイヤを垂らしておく、といった感じです。これが思いのほか感度良好です。
本当は天に向かってピンと立つアンテナにしたかったのですが、結局だらっとしたものになってしまいました。まあアンテナとしては十分なので良しとすることにします。

ところで、引き出したからには仕舞わないといけないわけで・・・。苦心の末にモータで巻き取る機構を作ってみました。スイッチ操作により、約1mのアンテナワイヤをスルスルと本体内に収納できる、小さな小さなメカです。

巻き取り動作の様子
巻き取り動作の様子(動画その1)

完成したアンテナワイヤ巻き取り機構です。大きさは18.6mm×16.3mm、モータ部以外の厚さは2.2mmしかありません。この大きさはRev9.0内に残っている空間ギリギリの寸法です。特に厚さ方向はこれでいっぱいいっぱい、0.1mmの余裕もありません。
写真にて、左下へ伸びている線が基板のアンテナ端子へ接続される線で、右下への2本の線がモータ給電線です。
アンテナワイヤの端は仮で結んであります。

写真をクリックすると巻き取り動作の様子を動画で見ることができます。

カバープレート(1)
カバープレート(1)

巻き取り機構のカバープレートは0.1mm厚のステンレス板で作りました。
ハサミ、ラジオペンチ、ピンバイスでの手加工です。

カバープレート(2)
カバープレート(2)

カバープレートは表裏が繋がった1枚ものになっています。その繋がった部分、写真奥の丸くふくらんでいるところがモータが入るところです。曲げ加工が十分でないのでフリーな状態では少し開いていますが、ベースプレートにネジ止めするとモータが締め付けられて固定されるようになっています。
左側に見える金色の突起は巻き取りギヤのシャフトです。併せてアンテナワイヤと電気的接続をとるための端子を兼ねています。

カバープレート(3)
カバープレート(3)

ギヤシャフト兼アンテナ線接続端子はマックエイトOX-301を切って作りました。まずカバープレートに0.55mmの穴を開け、外側から深めの面取りをした後に短く切ったOX301を差し込み、ハンマーで叩いてカシメてあります。厚さに余裕が無いのでこれが考えうる唯一の固定方法でした。

なおOX-301はエス・テックさんで調達しました。マックエイトの製品は面白いものが多いのですが、少量での調達が難しく残念な思いをすることが多いです。OX-301も通常なら1000本単位なのでとても採用できません。
でも今回はエス・テックさんにて10本だけ購入することができたためにこの方法が採れました。少額にもかかわらず親切に対応していただきとても感謝しています。

ベースプレート
ベースプレート

カバープレートを固定する部品、ベースプレートです。2mm厚のアクリルを切り出して作りました。
大きな穴には巻き取りスプールとギヤが収まります。

巻き取りモータ
巻き取りモータとウォーム

巻き取りモータにはシコー株式会社(旧シコー技研)のF7を使いました。直径わずか3.2mmという極小サイズです。その出力軸にM0.3のウォーム(G338-059)を短く切って取り付けました。写真左上がオリジナル、右下が加工後です。
モータ、ウォーム共にIndoor Airplane Worldさんで調達しました。

ウォームホイール
ウォームホイール

M0.3、歯数36のスパーギヤで代用です。写真右は購入時のG336Lで、それを厚さ0.2mmまで薄く削りました(同左)。
小径の部分が黄色いのはカプトンテープが巻いてあるためです。

アンテナワイヤ巻き取りスプール(1)
アンテナワイヤ巻き取りスプール(1)

約1mのワイヤを巻き取るための糸巻きにあたる部品です。1.6mm厚の片面銅張り生基板で作りました。
右上に伸びている細い線がアンテナ線となるワイヤです。銅面と導通するように固定してあります。
中央の穴部にあるS字のようなものは、スプールが回転しながらもカバープレート(2)で説明したシャフトと導通を確保するための接触子です。直径0.3mmのリン青銅の棒材を曲げて作りました。銅面に細いスリットを作って落とし込み、ハンダで固定してあります。S字にしてあるのは固定端と接触部の長さを稼ぐことでばね定数を小さくするためです。

アンテナワイヤ巻き取りスプール(2)
アンテナワイヤ巻き取りスプール(2)

ワイヤを巻き取るための溝は、直径1mmの丸ヤスリで削って作りました。

アンテナワイヤ巻き取りスプールとウォームホイール
アンテナワイヤ巻き取りスプールとウォームホイール

両者を組み合わせた様子です。ウォームホイールの歯がはみ出すようにスプールの径を決めてあります。

ここで、この両者間がしっかりと固定されていないところがポイントです。アンテナワイヤを手で引き出す時、ウォームホイールはモータのウォームとかみ合っているので回転できません。そこでワイヤの張力によりスプールだけが滑って回転できる構造にすることで、ワイヤを手で引き出せるようにしてあります。
この『滑り具合』は重要です。モータで巻き取る時は滑らずに、手で引き出す時は滑らなければなりません。しかし滑り始めるための力が大きすぎると、ギヤの歯飛びや破損のおそれがあります。
この両者間の適度な滑り具合をどうやって作るかについてはかなり悩みました。現在はとりあえず両者間に挟まれるカプトンテープの巻き加減で実現してありますが、将来的には小径側ギヤの歯を利用した形に改良したいと思っています。

内部配置
内部配置

仮でベースプレートに各部品を合わせてみた様子です。

カバープレートの取り付け
カバープレートの取り付け

カバープレート裏面だけをネジ止めするとこんな感じです。
見えにくいですが、ベースプレート右の端面からアンテナワイヤが出ているのがわかります。

カバープレート固定ネジ(1)
カバープレート固定ネジ(1)

カバープレートの固定にはM1.0の皿ネジを使いました。
入手したのがM1.0×4mmだったので、写真右の通り2mmに切って使用しています。

ちなみに同じM1.0でもナベ小ネジなら割と手に入りますが、M1.4未満の皿ネジはなかなか手に入りません。今回はネジ頭を沈める必要があったので、皿ザグリ分も考慮してM1.0の皿ネジにこだわってみました。これは松本産業さんで調達しました。

カバープレート固定ネジ(2)
カバープレート固定ネジ(2)

ネジの首下を切る時に、あらかじめナットを入れておくのは定石ですよね。
写真はこれまた特殊なM1.0のナットです。竹澤鋲螺さんで調達しました。

M1.0皿ネジ用のドライバ(1)
M1.0皿ネジ用のドライバ(1)

写真右はM1.0の十字穴付きナベ小ネジ、左はM1.0の十字穴付き皿ネジです。ネジ頭の十字の大きさを比べると、皿のほうがとても小さいことがわかります。
そうです、M1.0の皿に合う+ドライバーが手に入らないのです。
結局、東急ハンズで一番小さいドライバー"+00000"を購入し、それでも太くて入らないので先端を削って合わせました。
+ドライバーを作るのって難しいですね・・・。

M1.0皿ネジ用のドライバ(2)
M1.0皿ネジ用のドライバ(2)

いつも見慣れたM3のネジと、そのドライバー(+の2番)を並べてみました。
バケモノのようにデカイです。

M1.0のタッピングネジ
M1.0のタッピングネジ

ベースプレートにM1.0のタップを切るためのタッピングネジです。
中心を狙って三角ヤスリで溝を入れて自作しました。

アクリルにハンドタップでネジを切るとどうしても甘くなりがちなのですが、これだと好い加減の渋さが作れます。

アンテナ接続線の配線
アンテナ接続線の配線

シャフトOX-301をカシメた箇所にアンテナ接続線を接続します。
OX-301は素材がリン青銅なのでハンダ付けができます。

最後にカプトンテープで固定して完了です。

アンテナワイヤ(初期型)
アンテナワイヤ(初期型)

最初にアンテナ線として使用したのは、外径およそ0.09mmの7本よりステンレスワイヤです。
外径0.27mmの7×7本よりワイヤ(写真左)をほぐして、中心部のまっすぐな7本束(同右)だけを使用しました。

アンテナワイヤ(改良型)
アンテナワイヤ(改良型)

ところが、最初のステンレスワイヤは結構クセが付きやすく、ちょっと擦れるとすぐにカールしてしまうのです。そして一度付いたクセは取れません。これは実用上厳しいです。

そこで何か使えそうなものは無いかと探していたところ・・・見つかったのが何とこれです。
鮎釣り用のメタルラインと呼ばれるものらしく、その名の通り金属ワイヤなのです。私は釣りを嗜まないので、このようなものがあることを全く知りませんでした。
試しに最も細いと思われる2種類を買ってみました。TORAYの「将鱗あゆメタル冴」0.02号と、DAIWAの「メタセンサー エムステージ スペシャル」0.04号です。
実物を見ると、私が“釣り糸”に対して持っていたイメージを完全に打ち砕く細さでした。最初のアンテナワイヤでも上の写真の通り十分細いと思っていたのですが、この釣り糸は太い方(0.04号)でも初期型の約1/3(直径0.033mm)しかありません。それほど細いにもかかわらず、しなやかで強く、適度にコシがあります。少々擦れてもクセが付きません。完璧です。さすが、それぞれ12mで4,000円と6,000円という価格は伊達じゃありません。

・・・と、肝心なことを忘れてました。 アンテナとして使うのです。
落ち着いてテスターを当ててみると、ちゃんと導電性があることが確認できました。

アンテナワイヤの太さ比べ
アンテナワイヤの太さ比べ

今回は「メタセンサー エムステージ スペシャル」0.04号の方を使うことにしました。

写真は新旧太さ比べです。左のハンダが一番太いですが、それでもφ0.3mmのものです。右の方でくるくると丸まってるのがカールしてしまった初期型ワイヤで、本体から真っ直ぐ出ているのが新しいワイヤ(釣り糸)です。

これでもちゃんとアンテナとして機能しました。巻き取りもスムースです。
でも、ちょっと細すぎたかも・・・(笑)。

巻き取り動作の様子(その2)
巻き取り動作の様子(動画その2)

本体に組み込んで動作させた様子をビデオで撮ってみました。上から見下ろしている感じです。
停止モードの時に"下スイッチ"を押すと巻き取るようになっています。なお、この時のワイヤは初期型です。

写真をクリックしてください。

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サイコロキャラメルと2ショット


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