放課後の電子工作 HOME > 超小型MP3プレーヤー [ Timpy ] > Rev2.0 【リチウムポリマ電池タイプ】

2007年6月9日 更新

超小型MP3プレーヤー [ Timpy ]
 
Rev2.0 【リチウムポリマ電池タイプ】

Timpy シリーズ・ラインナップ

Rev1.0 【1.5V電源タイプ】

Rev2.1 【ヘッドフォン内蔵タイプ】


Timpy Rev2.0

リチウムポリマ電池タイプ

超小型MP3プレーヤ [Timpy] Rev2.0

2004年8月 完成

Rev1.0での玉砕の後、やっと見つけたリチウムポリマ電池のおかげで、何とか実用の形が見えてきました。
リチウムポリマはセルあたり3.7Vが定格ですので、DC/DCに代えてリニアレギュレータで降圧するようにしたのがRev2.0です。
最終目標はヘッドフォンへの内蔵ですが、その前段階として直方体のプラケースを作って入れてみました。
大きさは29mm×27mm×14.5mmです。
普通のミニプラグ付きステレオヘッドフォンが使えます。

--

》いい電池見つけました

小型化を狙う上で最大の問題は『電池』です。
それなりの再生時間、形状、低ランニングコストなどをバランスよく得られるような電池をずっと探していたのですが、なかなか条件に合うものが見つかりませんでした。
仕方ないので、Rev1.0の時点では、うまくいけばPR2330(コイン型空気亜鉛電池、1.4V)、だめでも単5のアルカリ電池(1.5V)を使おうと思ってました。
ですので1.5V系から3Vを作るDC/DCを載せました。

その後、見つけました!
個人で買えるリチウムポリマ電池!!
寸法もぴったりです。2次電池ですからランニングコストも抑えられます。そして最後に気になるのは再生時間ですね。
Timpyの消費電流は音量にもよりますが、実測で平均40mAくらいです。このバッテリの公称容量は210mAhですから5時間くらいは持つ計算です。
実際にフル充電から連続で再生してみたら、端子電圧が3.0Vに下がるまでに6時間半持ちました。これはすばらしい。

というわけで、DC/DCの代わりに、3.7Vを3Vに落とすシリーズレギュレータを載せたものがRev2.0です。
バッテリを少しでも有効活用にするために、自己消費電力が小さく超ロードロップアウト電圧(80mV typ.)のものを載せることにしました。
予算の都合で基板はRev1.0のものを流用しました。ジャンパ1本なので良しとしましょう。

--

》回路図

回路図Rev1.0同様、EAGLEのLight Edition (Freeware License)で書いてあります。
変更点は電源周りだけです。

【回路図・基板データ】  timpy20-eagle.zip (40KB)
(ご注意)これにも基板データが入っていますが、実際にはRev1.0の基板を流用したため、このデータによる基板製作はしていません。
したがってそのままで不具合が無いとはいえませんのでご注意ください。

【パーツライブラリ】 timpy10-lbr.zip (15KB)
Rev1.0と同じものです。

【デザインルールファイル】 Dru-Pban.zip (1KB)
Rev1.0と同じものです。

--

》部品表

No.

Reference

Name

Qty.

Manufacturer

購入先

1

IC1

C8051F330

1

Silicon Laboratories Inc.

マイクロテックその他でも入手可能です。

2

IC2

VS1001K-L

1

VLSI Solution Oy

egnite Software GmbH
JELU Web-Shop
(現在はVS1011しかないようです)

3

IC3

MAX4741EKA

1

MAXIM

これだけは少量販売しているところが見つからなくて、
MAXIMさんからサンプルをいただきました。

4

IC4

LP3988IMF-3.0

1

National Semiconductor

Digi-Key

5

R1

10K (1005)

1

any

シーアール(秋葉原)

6

R2

1K (1005)

1

any

シーアール(秋葉原)

7

R3, R4, R5

100K (1005)

3

any

シーアール(秋葉原)

8

R6, R7

100K (1005) 1%

2

any

シーアール(秋葉原)

9

C1, C2

ECJ2FB0J475K

2

Matsushita

エリスショップ

10

C3, C4, C5

0.1u (1005)

3

any

シーアール(秋葉原)

11

CN1

XF2L-0425-1

1

OMRON

Digi-Key

12

CN2

SCJB2B0101

1

ALPS

エリスショップ

13

SWD, SWF, SWR, SWU

SKRMAAE010

4

ALPS

電即納

14

SW1

SSAD120100

1

ALPS

電即納

15

基板

Timpy Rev1.0

1

--

P板.com Rev1.0を流用しています。

16

バッテリ

ET-0210

1

E-Tec

エアクラフト
エアクラフトさんのホームページでも強調されていますが、
このバッテリは非常にハイパワーで、かつ保護回路が付いていません。
取り扱いには十分にご注意ください。(何かあっても責任持てません)
充電器には必ず専用のものを使ってください。

【2004年9月】エアクラフトさんでは現在ET-0210の取り扱いをしていないそうです。
今後も入荷の予定無しとのことでした。
一時は『もはやこれまでか・・・』と思われましたが、探してみるもんですね。
入手可能なショップを見つけました。Rev3.0のページを参照してください。

【2006年7月】リチウムポリマの調達ルートを探すのは、まさにネットの迷宮をさまよう如く
という感じで、楽しくもあり、また大変でもあります。
ページの更新が追いつかないので、最新の情報は掲示板などでお問い合わせください。

--

》ファームウェア

timpy20-src-20040918.zip (18KB)

実際に通勤途中で使いまくってます(^_^)ので、基本的な動作は問題ないと思います。
以前のバージョンからかなりの修正、機能追加がなされています。

--

》写真
全体
完成しました

1mm厚のポリスチレン板でケースを作ってみました。
大きさは29mm×27mm×14.5mmです。
上面の4つの丸いのが操作スイッチです。
赤はプレイ、黄と青がそれぞれボリュームアップ/ダウン、黒が停止です。
赤を押しながら黄と青を押すとそれぞれ次の曲/前の曲へ飛びます。
また、停止中にさらに黒を押すと、バッテリの電圧をビープ音で確認できます。
高(ピ)と低(ブ)の2つの音程のビープ音をそれぞれ1と0に対応させて、
電圧値2桁を2進数で表したビット列にしたがってビープ音を鳴らします。
たとえば3.7Vなら00110111ですから、ブ・ブ・ピ・ピ・ブ・ピ・ピ・ピ、となります。
私はこれで全然不自由ないのですが、一般の人向けの仕様じゃありませんね。(^_^;)

裏面
裏面

miniSDカードをイジェクトするとこんな感じです。
下の切り欠きからのぞいているのは、デバッガとの接続用のFPC(0.5mmピッチ、4P)コネクタです。

フォンジャック
フォンジャック

3.5mmのステレオプラグが使えるようになっていますので、市販のヘッドフォンがそのまま使えます。

充電用DCジャック
バッテリ充電用DCジャック

こちらは充電器と接続するためのDCジャックです。
ケースに入れる前はこんな感じでバッテリを交換できるようにしてあったのですが、実際試してみると
このバッテリが十分長持ち(6時間以上!)なので、交換機能は省くことにしました。
スイッチ基板とminiSDカードの間に、銀色のバッテリが透けて見えています。

ケースの材料
ケースの材料

ケースは1mm厚ポリスチレン板の張り合わせで作りました。
まったくの透明ではアラが全部見えてしまうので、樹脂用の染料で濃い目のクリアグレーに染めました。

デバッグ中の様子
デバッグ中の様子

4PのFPCを通してCygnalのデバッガに接続できます。
これでリアルタイムデバッグが可能です。
(この写真はケースに入れる前のものです)


Timpy シリーズ・ラインナップ

ページの先頭へ戻る

Rev1.0 【1.5V電源タイプ】

Rev2.1 【ヘッドフォン内蔵タイプ】

HOME